−『東洋医学考』特設ページ−臨床家と未来の臨床家と、東洋医学を学ぶ人のために。
『東洋医学考』 一鍼堂出版2025年1月21日発売!
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『東洋医学考』についての想い。
開業以来、中医学をひとつの基礎教本にし、そこから解釈を膨らませながら、同時に、古典や諸先輩方の教えなども合わせて紐解くことで日々の臨床にあたってきました。やがて、奇病や難解な症例にたずさわることも増えましたが、既存の中医学の理論や、病因病理の組み立て方、生体観、臓腑観、診断術、刺鍼法では、多くの症状や病を緩解させる事は出来ても、本当の意味で理解して向き合っているかと自らに問うてみると、どこかに矛盾や違和感、論理的にもしっくりこない部分が自身の中に常に存在しました。ずっとその違和感に苦しみましたが、同時に、それこそが、私にとっての、学びや鍛錬することの、まさしく原動力でした。いつも、そこの根底には、治せないものに対する追求、未知な事象に対する考察についてにこそ果てしない興味がありますが、どのような教本も、それらを埋めてくれるものはなかった為に、日々、(あくまで東洋医学的な解釈の下、)さまざまな臓腑や邪(生気に対する邪実)に対する仮説を立て、そこから術式を仮設し、また、それを修正し、更に考察を修正するという日々を重ねて参りました。しかし、この方法は、一般的なものではなく、やはり、周囲の多くは、過去の名医の言を引用し、それを裁判の判例のように扱い、真理はそこにすべてあると信じて動かず。なにか発言するには、どのような文献を判例のように提示するべきだという手法は、学ぶ上でとても近道で非常に合理的なものでしたが、目の前に現れる無数の矛盾に向き合うには、やはり窮屈で、東洋医学を追求するという本質との間に、大きな障壁となると、私は思っています。そこで、この書では、自分たちの手で東洋医学を学問し、既存の知識を更新し、臨床にそれをいかすことの出来るまで追試し続けるという目的のために行います。そして、東洋医学・鍼灸医学に関わる人にとって、思う存分、東洋医学の学びを楽しむ、という一点を発露させる目的の、その一点の為に出すこととしました。
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以下に、この書で学ぶ人達と著者である我々自身に課したことを書きます。
▍科学的な態度で東洋医学を更新しつづける。但し、東洋医学的な姿勢で、無形の作用と、有形のものを境なく考察して論じる。
▍東洋医学を科学し尽くしたい。
▍真人間としてのあるべき態度で、矛盾や誤りがあれば、それを修正し、
また、そこから論理と技術の内容を更新していくべきである。論が進むことと、加筆修正されることは等価値である。
▍提示された論が、どの時代にあっても、経典のように、絶対化されて動かない真理のように取り扱われてはならない、常に学問の対象として考え尽くされ続けるべきである。
▍様々な論を提示するが、
教えを下ろし示すような教本ではなく、更新されるべきだということ。更新されるべき論は書内で更新していく。
▍臨床家のための東洋医学を行う。臨床内容に矛盾しない学術内容を基本にこの書においては、論理立てる。
▍新しい論に対して、むやみに名称を与えてはならない。名称が増えることで概念が増え、不必要な認識が生じ、
後世の混乱のもととなる。基本的な言葉で語れるものは、その語句の組み合わせで簡易に説明することでほとんどのものは説明が可能であるという立場を取る。
▍名や時代を拠り所とせず、事象に現れる様々な気付きをひとつの師とし、変化を享受する。
一鍼堂代表 林玄弌
一鍼堂出版発行:パレード発売日:2025年1月21日ISBN:978-4-434-34758-0仕様:四六判/上製/74ページ価格:4,400円(4,000円+税10%)
ことの始まり/臓腑の存在を中心に学問する【肺】肺位について/肺気をイメージしてみる /おまけ、弟子の失態/天子/肺と宗気/〜シリーズ黄帝内経〜『黄帝内経』概要/東洋医学と鍼灸治療の本質/清と濁/肺と腠理の関係/学びと書籍化の趣旨/〜シリーズ黄帝内経〜『素問』について/真水と髄の上源の在りか/通調水道と三隧/使用される東洋医学用語について/螺旋階段のように学ぶこと/粛降について/正確性をどこまで担保するべきか仮説と断定/反証可能性を含むかどうか/相傅之官/タバコと灰と諸邪/学びの壁/宣発作用と呼ばれる働きについて/魂魄について/命を煮込むということ/聖典たちとの距離感/金性と使役性について治節出焉/肺と寸口の脈/肺経切診/体幹の経穴と四肢の経穴の違いについて/学びの三つの段階/写真撮影のすすめ
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学びの名の下に様々な論を展開しています。誤りやご意見、閃きなどがあればお便りを下さい。流派やご職業、肩書きは問いません。同時に、ともに学ぶ仲間を求めています。
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